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TEFAF Maastricht 2016

2016 3/11(Fri) - 3/20(Sun)

VIPプレビュー: 3月10日(木)
会場:MECC (Maastricht Exhibition & Congress Centre) , Maastricht(オランダ)
ブース番号: 233

A LIGHT HOUSE CALLED KANATA A LIGHT HOUSE CALLED KANATA

春待つ3月のオランダ・マーストリヒトに、今年も400機のプライベートジェットが降り立った。彼らの目的は言わずもがな、今年で29回目を迎えた2016年テファフ展(以後TEFAF)である。プレビューの日には1万人を超えるコレクターやアート愛好家、254館の世界の名立たる美術館関係者たちが訪れ、会期を終えた頃には、来場者は全体で7万5千人を数えたとのことだ。そして華やかな白いフリージアとともに会場を彩ったのは、20ヵ国から集結した、275の名立たるギャラリーによって拘り抜かれたブース展示。そのなかで酉福のブースも、その存在感を存分に醸していた。

TEFAFは世界を代表するアートフェアであり、出展社の扱う作品のジャンルも古美術から現代アートまで様々で、世界各国のコレクター、美術館関係者などが必ず訪れるべきフェアの筆頭として挙げられている。出品作品は一点一点各分野の専門家から構成された選考会で慎重に審査され、出展社の選考水準も世界中のアートフェアと比較して最も厳しいと言われるなど、卓越性や洗練を追及するその性質から「アートフェア界の至宝」と名高い。

酉福のブース

1月からの景気不安はもとより、ブースの位置、仕様の大幅な変更から、今年の出展は厳しいものになるとの予感があった。3年続いた角小間という好配置から会場端へと移された酉福ブースは、馴染みの来場客の目に留まりにくく、装い新たなスタートを余儀なくされる。そして幅が狭く奥行きのあるブースの仕様は、まさに「鰻の寝床」さながら。立体作品を多く扱い、展示スペースを広く必要とする酉福にとってそれが痛手となったことは否めないが、ブースを2階建てにすることでこの逆境を乗り越え、よりよい展示を実現させた。黒を基調とした酉福・砂原によるブースデザインが、2階建ての重厚感と相まって、NYのスタジオのような雰囲気を演出。事務局や他の出展者も立ち止まり、たちまちフェアの評判となったことは、酉福がこの向かい風に対し、いかに有効に立ち向かったかを物語っていただろう。

多くの来場者を惹きつけた朝倉さんと生田さんの作品

酉福のTEFAF出展も今年で4年連続4度目となり、日本から出展している唯一のギャラリーとしての認知度も、確実に高まりを見せている。今回酉福のブースに並んだ作品は総勢19名の作家によるもので、前年に引き続きご出品くださった作家は、深見陶治、三原研、長江重和、前田昭博、生田丹代子、田中信行、木村芳郎、中村卓夫、家出隆浩、永野和美、大野佳典、朝倉隆文、武山直樹、米元優曜。そしてTEFAF初参加となったのが、狩野智宏、尾崎悟、杉谷恵造、藤掛幸智の4名。加えて、前年に引き続き戦後日本の抽象絵画の先駆者である菅井汲(1919 – 1996)の名作2点が、来場者を迎えるように入口の左右の壁面を飾った。また酉福からは、店主・青山和平とTEFAF展担当者である砂原、マクマーン、高橋、そして新たに加わった新スタッフの藤野、山本、そしてアメリカ在住のElias Martinの総勢スタッフ7名がTEFAF 2016に参加している。

混雑する酉福のブース
三原さんの魅力を伝える砂原
レクチャーをする青山

経済情勢やブースの小間位置などさまざまな方面からの逆風が吹き荒ぶなか、それでも酉福は、着実に結果を積み上げていった。特に三原さんの「景」シリーズ3点はプレビューの時点で完売し、生田さんの作品が会期2日目にして7点中6点売れたことは、三原さん・生田さんによる作品の世界的人気が確固たるものであることを裏付けている。武山さんの作品は、緻密な手仕事が人を魅了し、3点の売約が決定。そして藤掛さんの作品は、一見ガラスとは思えない表現で来場者を驚かせ、4点中3点が売約となった。特に黒いブースの壁によく映えるよう展示された、朝倉さんの屏風作品への反応は際立っており、NY在住のコレクターへの販売が決まったのちも、購入希望者が続出したほど。家出さん、杉谷さんの作品も完売となり、会期の最終日には、尾崎さんの巨大な彫刻作品「一期一会 IV」の売約が決定、フェアのフィナーレを飾ることに。どの作家の作品も来場者から好評を博しており、今後の販売が期待できる手応え十分の結果を得たのではないだろうか。

生田さんについて来場者と話すマクマーン
混雑するブース
営業中のエライアス
朝倉さんの筆使いを説明する砂原

その他のTEFAF出展社からも、例年同様ビッグセールスが報告されている。フェア初日のプレビューでは、ロンドンに基盤をおくColnaghi Galleryの出品作品の一つ、花束の画を絵画ジャンルとして確立したオランダ人画家ルーラント・サーフェリーによるStill life of flowers (1615)が、オランダのマウリッツハイス美術館によって約8億4千万円で購入。さらにモダンでは、Hammer Galleriesが総額約110億円にもなるピカソ&マティスの2人展を開催するなど話題をさらったほか、Thomas Salis Art & Designがポール・デルヴォーのLa grande allée (1964)を約2億6千万円で売約を決め、Cardi Galleryがドイツの「グループ・ゼロ」において中核として活躍したG・ユッカーのWeiss (1988)を、ヨーロッパのプライベートコレクターに向けて約2億8千万円で販売するなど盛況ぶりを見せた。しかし、昨年まで毎年発表されていた主催者からの会期後報告や、全体の結果についての言及が乏しかったことなどは、世界的に景気が鈍化するなか、アート業界にも影響が及んでいることを示唆しているのだろうか。

大人気の生田さん
尾崎さんと菅井

奇しくも逆風に晒され、苦戦を強いられた今回の2016年TEFAF展。とはいえ、酉福作家への賛美の声は変わらず大きく、来場客からの支持も広がる一方である。向かい風までも吸い込み、心を新たに。酉福は歩き続ける。(文・写真/山本)

酉福前半チーム(左上からElias、藤野、マクマーン、砂原、青山)

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