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Spring Masters New York 2016

2016 5/6(Fri) - 5/9(Mon)

VIPプレビュー:5/5 (Thu)
会場:Park Avenue Armory(米国・ニューヨーク)
ブース:E7

A LIGHT HOUSE CALLED KANATA A LIGHT HOUSE CALLED KANATA

TEFAFとの提携が発表され、2017年度はTEFAF New Yorkへと姿を変えるニューヨークのアートフェア「Spring Masters New York」。日本唯一の出展者として酉福ギャラリーは今年初めて同フェアへ出展いたしました。

会場のPark Avenue Armory

待望のNY進出が遂に実現した。今回酉福が出展した『Spring Masters NY 2016』の舞台となったのは、100年以上も前から幾度となく美の祭典が開催されてきた場所、Park Avenue Armory。地元の方々も驚くような季節外れの寒波、そして初めて臨むフェアならではの緊張感にまみえながらも出品作品の8割以上が売約となり、TEFAF初出展時における売上記録をも凌駕する目覚ましい結果を残した。

会場前の看板に掲載された三原さん作品
俯瞰でみた会場風景

俯瞰でみると、六角形の特殊な形をした展示ブースが並び、遊び心を感じる会場である。酉福・マクマーンがデザインした今回の展示ブースも、TEFAF展で与えられるスペースの半分以下という狭さを巧みにカバーし、展示作品とのバランスをうまくとった奥行きある表現によって立体感のある空間を実現。連日吸い寄せられるかのように大勢の来場者が訪れた酉福ブースは、常に活気に満ちていた。

酉福ブース
多くのお客様で活気づくVIPプレビュー

初進出のNYという場所にも関わらず多くの既存のお客様が各地から駆け付け、酉福スタッフは慣れ親しんだロンドンの地に勝るとも劣らない、まるでホームグラウンドのような空気の中、会期を過ごすことができた。

左から:横山さん、武山さん、津守さん、長江さん、三原さんの作品

酉福のことをご存知で訪れる方々のほとんどは、お目当ての作家を目がけて来場される。今回酉福のブースに並んだ作品をご出品頂いた作家は、深見陶治、三原研、長江重和、前田昭博、生田丹代子、木村芳郎、家出隆浩、杉谷恵造、狩野智宏、朝倉隆文、武山直樹、森山寛二郎、藤掛幸智、米元優曜、津守秀憲。そして初のアートフェア出品となった横山修、戦後日本の抽象絵画の先駆者である菅井汲(1919 – 1996)を加えた総勢17名。また酉福からは、店主・青山和平と砂原、そして本アートフェアを担当したマクマーン、合わせて3名のスタッフが『Spring Masters NY 2016』に参加した。

左から:前田さん、狩野さん、杉谷さん、深見さんの作品

変わらず圧倒的な人気を見せた生田さんのガラス作品は、V.I.Pプレビューの開始から一時間で完売。世界的に名の知られる深見さんの大型作品も販売が決まり、三原さん、長江さんの新作も、ほとんどが売約となった。杉谷さんの彫刻は今回もお買い上げとなり、これで4連続出品・すべてのフェアで完売するなど、その勢いは留まることを知らない。また家出さんのオルメカ型作品は、モディリアーニの名作を有する世界随一の富豪コレクターの手に渡る。そして武山さんの代表作「はくたい」がボストンの著名なコレクターによって購入となったほか、朝倉さんの日本画は、アメリカ・カンザス州にあるスペンサー美術館へと収蔵され、記念すべき作品となった。

メトロポリタン美術館の学芸員や理事も来場

さらに本フェアの特筆すべき点として、若手作家の台頭が挙げられるだろう。横山さんは作家として初の発表作ながら、NYのコレクターによってお買上げとなる快挙を上げる。また森山さんの陶作品は完売となり、藤掛さん、米元さんのガラス作品もそれぞれ高い評価を受け、売約を得た。そして津守さんによるガラス作品は、アメリカ・ボストン郊外の第二次世界大戦博物館への収蔵が決まる。酉福を代表する作家陣とも肩を並べるほどの存在感をみせた若手の活躍に、今後の期待は高まるばかりだ。

混雑するブース

ヨーロッパのアートフェアを中心に出展を重ねてきた酉福。NY初進出に際し、諸所からの反応の如何は全く未知数であった。NYにおける日本現代陶芸の市場は既に確立しており、わずかなギャラリーが他のギャラリーの市場介入を阻む状態を長きにわたって続けてきたのは、周知の事実である。しかし、健全な競合のある市場こそが日本美術をより多くの方々へ啓蒙する機会を生み、市場の開拓を促すのではないだろうか。酉福も、これまではNYのギャラリーに配慮しNY進出を自粛してきたが、今回満を持して出展を決め、作家の作品群が多くの来場者から称賛の声を集めたことは、非常に意義深いことであった。

相変わらずの注目を集める生田さんの作品

そして今年、世界最高峰と謳われるオランダの『TEFAF Maastricht』が『Spring Masters NY』の買収を電撃発表し、同展は来年『TEFAF NY』へと変貌を遂げることが決定した。世界中でアートフェアが乱立するいま、中でもTEFAF展は特異的存在として知られ、アート愛好家であれば必ず訪れるべきフェアであると名高い。そのNY進出がアート業界へ与えた衝撃は大きく、TEFAF展の美意識が果たしてNYの地で受け入れられ、アートの世界的価値観に変革を起こし得るのかを、多くのアート関係者たちが注視している。

酉福が4年連続で出展している『TEFAF Maastricht』 に加えて『TEFAF NY』への出展も叶えば、それは必ずや追い風となり、酉福作家の作品も世界中でより一層広く認知されてゆくだろう。胸躍る吉報に、酉福はさらなる進化を遂げるべく決意を固めた。
(文・写真/山本)

酉福チーム(左からマクマーン、青山、砂原)と大きな注目を集めた森山作品

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