TOP PAGE

森山寛二郎

SHIN / RISE—森山寛二郎 個展

2026 9/17 (Thu) - 9/30 (Wed)

会期
2026年9月17日(木)– 30日(水)
11:00 –18:00

休廊日
20日(日)、21日(月・祝)、22日(火・祝)、23日(水・祝)、27日(日)、28日(月)

会場
ア・ライトハウス・カナタ

作家在廊日
9月17日(木)、18日(金)、19日(土)

A LIGHT HOUSE CALLED KANATA A LIGHT HOUSE CALLED KANATA

RISE ABOVE

轆轤へのアンチテーゼか。それとも重力に抗う行為か。いや。まだ見ぬ、あの稜線の向こう側の景色が見たいが為に。陶芸家・森山寛二郎さんは慣れ親しんだ轆轤に別れを告げ、手捻りという新境地に挑む。人は向上あるのみ。森山さんの想いはその鋭くも優しい曲線美に乗り、空を切り開き、天空を目指す。

 

追憶のなか、森山さんの轆轤との決別に伏線は確かにあった。思い返せば2020年12月。森山さんのカナタでの4回目の個展は、コロナ禍の真只中に行われた。師走の寒空の下、来場者もまばらで、私は何とも言えぬ歯痒さに駆られていた。何せ個展の内容は抜群に良かった。若き森山さんのひとつの集大成とも言える優作が西麻布のギャラリーに立ち並び、展示は壮観そのもの。私は一人、ひっそりとした夜中のギャラリーに立ち止まり、佇む作品を眺め、月明かりを帯びた鮮やかな稜線に深く感動した記憶が今も残っている。だからこそ、である。個展は幸いにも完売したが、多くの来場者と共に同じ感動を分かち合えなかったことが悔しかった。その願いは、叶わぬままとなった。

 

あれから早6年が過ぎようとしている中、満を持して森山さんの新作展『Shin / Rise』が目前に迫る。個展までに長い月日を費やしたのも事実。その間、森山さんは瞬く間に3児の父となり、名実ともにカナタの代表作家として成長された。

深見陶治さんに憧れ、28歳の時に福岡県小石原(現・東峰村)から上京し、カナタの門を叩いた森山さん。彼と積み重ねてきた長年の思い出もひとしおである。カナタと手を携え、幾千の修羅場を共に潜り抜け、今日に至るのだ。成長は一直線に在らず。まるで森山さんの曲線に導かれるかのように、回り道をしながら紆余曲折、少しずつ前へ進むものだ。

 

どれほど輝かしい功績をその類稀な轆轤と焼成技術にて成し得ても、森山さんは満足することなく、さらに上を目指した。そしてさらなる造形の自由を求め、代名詞である轆轤を潔く捨てた。技法はあくまで手段であり、目的ではない。そして、その道のりは決して容易なものではなかった。手捻りによる成形法だけでなく、焼成法も釉調も、すべてを一から見直す必要があり、6年もの年月が流れたのも不思議ではない。月並みの精神力では成し得ない転身術である。ただ、底流に流れる美意識は今なお変わらない。

 

慢心なく、そして奢ることもなく、誰よりも低姿勢で謙虚な作家であり続ける森山さんの新たな挑戦の舞台がこれより幕を開ける。6年前に比べ、世界は少しばかり明るくなったように思う。カナタも大きく様変わりした。そして表参道の新空間にて、月光を纏う森山作品の稜線に、新たな祈りを込めて。確かに、森山作品の聳え立つ世界を見た気がした。

 

ア・ライトハウス・カナタ

青山和平

Exhibited ArtistsExhibited Artists

View All Artists

ChatChat

チャットツールでもお問い合わせ可能です。
NEXT