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Biography

深見陶治 Sueharu
Fukami
Sueharu
Fukami

深見陶治
Profile
  • 1947 京都市に生まれる
  • 1963 京都市工芸指導所卒業
  • 1965 京都市工芸指導専科修了
  • 1988 「日展」出品をやめる
  • 01 Exhibitions More
  • 02 Awards More
  • 03 Public Collections More

About
the Artist
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終わることのない環状のなか、時空は静寂に潜む無境より生まれ、果て、また無へと帰る。時の連続性はまるで潮騒のように押し寄せ、見えざる手により満ち、引き、悠久の海へと鎮まり、幾千の年月がまたもや過ぎ去る。しかし、この無限の世界のなか、変わることのない真美を現すのが深見陶治さんの作品である。遥か彼方へ広がる地平線を切り裂くように、深見陶治さんの作品はあたかも独立した時間軸のなかに存在し、人は初めて永遠の意味を知る。そう、まるでルチオ・フォンタナのように、その研ぎ澄まされた稜線は時空を真二つに割り、現世と見えない世界の境界線が顕となる。私たちが忘れかけている大切な何かを、深見さんの作品に見る。
100 年後のこと。20 世紀後半から21 世紀前半を振り返り、日本の美術史が世界で評価されるのであれば、その物語の主役こそ深見陶治さんであると確信する。戦後日本で八木一夫や岡部嶺男、加守田章二など多くの素晴らしい陶芸家は登場した。しかし、この偉人たちより先に世界で評価されたのは紛れもなく深見さんであり、数多くの深見作品が世界の美術館に収蔵されることにより、日本の陶芸界は世界の表舞台へと台頭したと言っても過言ではない。もちろん、バブル以降の国際化により世界と日本の距離が一気に縮まったことも事実である。しかし、しかるべき時に、救世主は現れるものだ。そして、私たちが世界の美術館や世界的コレクターと対等に渡り合えるのも、先駆者として深見さんが日本美術を世界へ牽引し、道を開いてくれたからではないだろうか。
何故、それほどにも評価され、あのメトロポリタン美術館のなかでも、主役のような中心的な位置に深見作品は展示されるのか。幾つかの理由が浮かび上がる。まず、深見さんの作品は 500 年前のフランス人を、 2000 年前のローマの人々も、そして100 年後の日本人でさえ、一見して感動する美しさを含む。国境も人種も言語も宗教も超越する、説明不要の普遍的な美に人々は心奪われるのだ。しかし、その普遍性の中には確かなる革新性も内在する。その名声を轟かせた独自の圧力泥漿鋳込の技法により、2メートル以上の大作が生まれた。その上、一寸の狂いも欠陥もなき青白磁の釉調は、誰も真似することはできない。要するに、後先にもこのような作家は出現しない。別次元のなかで戦う深見さんだからこそ、成し得ること。そう。土を焼く行為が、現代アートと対等に、いや、それに勝るものとして認識され、美術史のパルテノンに刻まれること。未来を見据える深見さんの目線に、いつ時代が追いつくのか。