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Biography

柞磨祥子 Shoko
Taruma
Shoko
Taruma

柞磨祥子
Profile
  • 1991 広島県に生まれる
  • 2016 京都市立芸術大学院美術研究課 修士課程 工芸専攻 修了
  • 2018-2021 京都市立芸術大学非常勤講師
  • 01 Exhibitions More
  • 02 Awards More
  • 03 Public Collections More

About
the Artist
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柞磨祥子は漆の黒にみる深みに魅せられ、液体のような自由な形態を「陰翳」の現代彫刻として表現している。近年、日本と東アジアの古き良きものを取り込み、古美術をマテリアルにして、古伊万里や景德鎮白磁などと漆を調和させたシリーズを発表。また狩野派の重要文化財と同じ空間での発表、「幽玄」なる精神性と溶け合う金箔シリーズなども手がける。
深い樹海の中。森の静けさに包まれ、その微かな音に耳を澄ませて。空気が変わる瞬間。見えない何かの気配に気付く。振り向くべきか、過ぎ去るべきか。見えない恐怖と見える恐怖、見たい恐怖と見たくない恐怖の狭間に宿る無音。葛藤のなか、心は不思議と静寂に包まれる。そう。手を伸ばせば掴める気がして。振り向くと、そこに。静かに佇む柞磨祥子さんの妖艶な漆に、奪われる心。柞磨さんの作品全てから溢れる力とは、漆が本来持つ自然界から生まれ来る「魔力」のような引力。その力に手繰り寄せられ、吸い込まれていくままに、その不思議な造形から目が離せなくなる。まるで柞磨漆は御伽噺のよう。見たことのない世界観、柞磨さんにしか見えない、まるで別次元から流れる空気が漂う。森に誘われ、迷い込み、時間も忘れ、日が暮れる。柞磨さんが紡ぐ漆の糸を頼りに。もう少しだけ、ここに居させて。

青山和平
ア・ライトハウス・カナタ
-「RE: OPENING CEREMONY 一周年記念展」冊子より