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Biography

生田丹代子 Niyoko
Ikuta
Niyoko
Ikuta

生田丹代子
Profile
  • 1953 京都市に生まれる
  • 1976 京都薬科大学卒
  • 01 Exhibitions More
  • 02 Awards More
  • 03 Public Collections More

About
the Artist
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息を止め、耳を澄ませば、確かに。生田丹代子さんのガラスが奏でる光の旋律が聴こえてくる。はじめは消えて無くなりそうな小さな音。それは夜明け、黎明、物語が始まる予感でもある。そして音はガラスの稜線から零れ落ちるように、その流れは徐々にスピードを上げ、時空の端々から無数に集まり、やがて滝のように。旋律はこだまし、また無と帰す。そして、永遠へ。生田さんは決してガラスを扱っている訳ではない。光と云う名の音符を自在に操るのだ。
無数のガラスの断面が重なり、交差し、うねり、ひねり、織りなすメロディー。ただ、直感的に届く美のなかに内在する思想は山々より高く、大海より深い。空とは、無の境地。乱反射する光に目は眩む。しかし、瞼を閉じて初めて気付くモノの真意。作品が放つ圧倒的な透明感は水鏡となり、作家そのものを映し出す。

同じく、私は生田さんと話す度に、すべてが見過ごされているような錯覚を覚え、心が顕になる。その凛としたお人柄は作品と同じく、見るものを浄化し、まるで自分の存在が空へと溶けて消え行くよう。その代表作「空」に心奪われ、口を開けたまま呆然と立ち尽くす人を何度、世界のフェアで目撃してきたか。もはや直感的とも呼ぶべきその圧倒的な衝撃は変わることはない。私も同じく、胸を打たれた者故に。
生田さんと出会ってから13 年もの年月が過ぎ、ロンドンからニューヨーク、シアトル 、マーストリヒトやロスアンゼルスを共に旅し、共にギャラリーだけでなく、私自身の成長を見守ってくれた生田さん。無名の20 代の私を信じ続けてくれて、感謝の念に堪えない。共に歩み、夢が現実となっていくいま。「空」は「虚」ではなく、「実」である事を知る。