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Biography

武山直樹 Naoki
Takeyama
Naoki
Takeyama

ゆめのゆめ(2014)| 七宝
H28.5 x W48.3 x D37.8 (cm)
武山直樹
Profile
  • 1974 愛知県豊田市に生まれる
  • 1999 東京藝術大学美術学部 卒業
  • 01 Exhibitions More
  • 02 Awards More
  • 03 Public Collections More

About
the Artist
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武山直樹さんにとって、技巧はエンドゲームではない。生きるための手段である。そう、武山さんは制作のプロセスそのものに生と死、喜びや悲しみ、希望や夢想、そして流れいく「時」という名の刹那を抱き寄せ、その超絶技巧により生まれくる作品は、自身がこの地球上に存在する石碑を立てるかの如し。「作品」は時を写す武山さんの大切な時計の針。予ねてより、人はそれぞれ違った時間軸で存在すると私は思う。人の周りを流れる空気を見るのが好きだ。武山さんの周りを流れる空気もそう。武山作品が持つ圧倒的な存在感。武山さんにしか見えない桃源郷のように、不思議な時空の狭間で生まれ、膨らみ、マテリアルからリアルへと、武山さんの実像が浮かび上がってくる。
そもそも、平面的な表現を主体であった七宝という聴き慣れないジャンルを、あえて無線で挑み、立体表現に昇華させたのが武山さんである。一つ一つのプリーツを手で均等に折り曲げ、粉状の釉薬を施し、幾千の箔を一つ一つフリーハンドで貼り付ける時間そのものに立ち眩む。ただ、その圧倒的な肉体労働から生まれくる緊張感こそ、美が湧き出す泉となる。七宝というジャンルに新たな息吹を吹き込んだ人として後世にも評価される人であろう。しかし、「七宝」は、武山さんにとってあくまで手段。「工芸」という言葉を多用する作家との大きな違いはそこにある。生きる為ならば、一切、置き去りにする覚悟は武山さんにある。その鋭い眼光が見つめる時空を、これからも一緒に感じていたい。