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Biography

津守秀憲 Hidenori
Tsumori
Hidenori
Tsumori

胎動
H54 x W52.5 x D21 (cm)
津守秀憲
Profile
  • 1986 東京生まれ
  • 2012 多摩美術大学 美術学部工芸学科ガラスプログラム 卒業
  • 2014 富山ガラス造形研究所 造形科 卒業
  • 金沢卯辰山工芸工房 入所
  • 2017 富山ガラス造形研究所 助手
  • 01 Exhibitions More
  • 02 Awards More
  • 03 Public Collections More

About
the Artist
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時の流れ、その移ろいの美しさをガラスと土の融合により表現する津守秀憲さん。無機質な二つの素材が窯のなかで重なり、溶け合い、変わりゆく様は儚き自然の摂理、朽ちていくものの美、そして朽ちることによって生まれくる美を現す。目を見張る目新しさ、一見目を疑うような断崖絶壁と鍾乳石のメタファーに人々の目は眩む。しかし、津守さんの魅力はただ素材と造形の珍しさから生じるものではない。その魅力の源に、不思議とゴーギャンの名作「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」のように、人類が抱える矛盾と不安、そして人間の存在意義に対する問題提起と重ねてしまう。
ガラスと土を隔てる境界線は物質的な問題であり、常に津守作品につき纏う分類的な問題でもある。しかしそれ以上に、享年27歳で他界された西田潤さんが投げ掛けた問い、「陶芸はどこまでが土で、どこまでが釉薬なのか」のように、津守作品はこれまでの固定観念への疑問符のようにも思える。それは物質さえ超越した、もはや形而上学的な問題提起ではないだろうか。「胎動」シリーズは生命誕生の無垢のエネルギーで満ち溢れ、その生命力で作品が真二つに割れるほど。その一方、「存在の痕跡」は果て朽ちる美を内在し、残された者の心の破片が美の名残と化す。死生は表裏一体。破壊から創造が始まるように、生と死も季節の移ろいと同じく、永遠の摂理でもある。相反する様々な二面性を含む津守さんの世界観に、行き交う人々は無意識に吸い込まれていく。
Falling into you. 手を繋ぎ、行き着くところまで共に落ちよう。深闇へ落下し、それも摂理として受け止めること。そこは安寧の地。そして立ち止まり、やがて気付く。あなたから始まる物語が私の心の中で続くことに。広がる心象風景に瞼を閉じ、また夢を見た。